今、輸入車はかなりの確率で、大掛かりな施行をしないと市販ナビや市販オーディオを組み込むことができない。つまりオーディオのグレードアップはかなり難しい状況だ。その流れは国産車にも及んでいて、最近のクルマだとマツダ・アクセラがいい例。7型モニターとコマンダーコントロールで構成されたマツダコネクト搭載車は、インパネにDINサイズの市販オーディオを装着するスペースがなく、インテリアを見た瞬間に、オーディオグレードアップしようなんて気が失せる。さらにアップルがCarPlayを発表するなど、世の中、インパネのタブレット化が進みそうな気配。こうなると「カーオーディオをグレードアップするためにヘッドユニットを交換する」という行為自体、一部のマニアを除いて無くなるかもしれない。いや、実際にそうなりつつある。
じゃあ、純正オーディオの音が不満でも、我慢しなければならないのか。その答えのひとつが、オーディソンのAP8.9bitである。
オーディソンAP8.9bitは8chアンプと9chDSPを内蔵 |
内蔵アンプは8chあるから、例えばBMWのようにフロントスピーカーがドアミラー裏のトゥイーター+ドアのミッドレンジ+シート下のウーファーという3ウェイ構成でも、スピーカーユニット1個に付きアンプ1ch分を割り当てて駆動するマルチアンプ接続が可能だ。この場合、フロントスピーカーに6chのアンプを使い、残った2chでリアスピーカーを鳴らせる。
デジタル入力とサブウーファー出力を備える |
さまざまなシステム構成に応じた設定はあらかじめプリセット済み。8つの中から選んで設定しておけば、パソコンでの調整をせずにすむ。もちろんパソコンを使って、ここのクルマに合わせた綿密な調整も可能だ。
内蔵DSPはシーラスロジック製。32bit/147MHzの高性能なDSPを使用する。DSPで調整できるのは、クロスオーバー、イコライザー、タイムアライメント。クロスオーバーポイントは20Hz〜20kHzの範囲で68ステップの中から選べる。スロープは最大-24dB/octだが、肩特性をリンクウィッツとバターワースから選べる。イコライザーはパラメトリック式で10ポイントの設定が可能。タイムアライメントは距離でいうと2.8cm刻みで、最大510cmまで補正可能だ。
さて、デモカーの音。このプリウスはヘッドユニットをDIATONE SOUND.NAVIに変更してあり、AP8.9bitの使い方としてはある意味イレギュラーだが、ナビのスピーカー出力のクオリティが高いおかげもあってか、スピーカー出力をハイレベルで受けて再度増幅するシステムにありがちなS/Nの劣化はほとんど感じない。
デモカーのプリウスはDIATONE SOUND.NAVIを使用 |
AP8.9bitは幅198×奥行134×高さ45.5mmのコンパクトサイズ |
フロントスピーカーはオーディソンVoceシリーズ |
ラゲッジルームに30cmサブウーファーを設置 |
・アルファ
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