まず試したのはラインドライバーだ。DIATONE SOUND.NAVIでちょっと気になっていたのは、1.8Vというプリアウトの出力電圧の低さ。カロッツェリア・サイバーナビでも2.2Vあるし、CDメインユニットのDEH-P01などは5Vもある。
プリアウトの出力電圧は、高いほどシステム全体のS/N向上に有利に働くとされているため、ラインドライバーを加えることで、ダイナミックレンジがより向上し、聴感上の解像度も高まるのでは? と期待したわけだ。
用意したラインドライバーは2機種。メーカー名等は伏せるが、両方とも2万円台のものである。
結果は? 想像していたのとはまったく逆。解像度が高まるどころか、逆に情報量が削がれてしまう結果に。またラインドライバーの回路を通ることで、ラインドライバーのクセみたいなものが出てしまい、DIATONE SOUND.NAVI本来の透明感、自然さが損なわれる感じだ。
ものすごくS/Nがよく、音に色付けのないラインドライバーがあれば結果は異なる可能性があるが、試してみたラインドライバーの場合、機器自体がノイズフロアを引き上げてしまった可能性がある。逆にいえば、それだけDIATONE SOUND.NAVIのS/Nが優れているということだろう。おそらく同価格帯のラインドライバーは、同様の結果になると思われるので、DIATONE SOUND.NAVIのサウンド向上を図るアイテムとしては、あまりおすすめしない。
では、スピーカー出力を使ったらどうなの? というわけでハイ/ロー・コンバーターも試してみたが、結果はラインドライバーと同じ。音が太るというか膨らむというか、あいまいになるというか、解像度や透明度が落ちる印象。素直に、DIATONE SOUND.NAVIのプリアウトを使って、ライン接続したほうが良い結果が得られた。
上からM&Mデザイン、オーディオテクニカ、純正ハーネス |
DIATONE SOUND.NAVI用のプリアウト・ケーブルはオーディオテクニカやM&Mデザインが用意している。オーディオテクニカのHCH-02DSは22,000円(税別)。M&Mデザインは50,000円(税別)のMR-5000と34,000円(税別)のMR-2200がある。
オーディオテクニカHCH-02DSの端子部 |
M&MデザインはMR-2200を聴いた。新品だったせいか音がカチカチに硬かったが、情報量は抜群。エージングが進んで音がこなれてくると、なんだか凄そうと期待が持てる。実際、ユーザーカーで、エージングが進んだ後の音を聴く機会があったが、硬さはなく文句の言いようのない素晴らしい音だった。
というわけで、DIATONE SOUND.NAVIに外部アンプをつないだ時、さらに音質向上を狙うなら、プリアウト・ケーブルのグレードアップをまずはおすすめしたい。
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