生演奏のような熱のこもった躍動感ある音楽が楽しめる
【インプレッション】A/Bchが100W×2、C/Dchが200W×2という具合に、2chごとに出力が異なるパワーアンプは、まさにマルチアンプのためにに設計されたようなもの(もちろんA/Bchをパッシグ使用でフロントスピーカーに、C/Dchをサブウーファーにという接続もできるが)。ここではA/BchにDS-SA3のトゥイーターを、C/Dchにウーファーを接続して試聴している。
そのS/Nの良さは、マルチアンプ接続でも代わらず。無音時には「シーン」という音が聴こえてきそうなほどの静けさで、その空間の中からクリアな音が飛び出してくる。その音のひとつひとつに熱というか生命力のようなものを感じる。だから、音が生演奏のように生き生きしていて躍動感がある。ここが、このアンプの魅力的なところだ。
もちろん、オーディオ的に見ても素晴らしい。解像度が高くて、他のアンプでははっきりとは聴き取れなかった細かく小さな音まで聴き取れるし、音の立ち上がりのレスポンスも申しぶんない。ものすごく密度の高い音だ。そして、マルチアンプ接続にしたことで、低音のドライブ感がさらに向上。グランドピアノがグランドピアノらしく、重く迫力ある音を奏でれば、ベースも太くうねるような音でリズムを刻む。ゾクッとするような演奏だ。
ギター・デュオも2人の音色の違いがはっきりとわかるし、位置も明確でまるでそこで演奏しているかのよう。回りを取り囲むホーンの、勢い良く音が飛び出す感じ、ドラムスのキレやバスドラムの空気の揺れを感じるほどの力強いキック、シンバルのうるさいくらいにカツーンとした金属感など、どこをとってもリアルな音だ。そして空間を感じられるあたりも、このアンプの音の密度の高さを物語っている。横方向、高さ方向、そして最も表現が難しい奥行方向。音場が三次元的に表現されるあたりもすばらしい。
パッシブ・クロスオーバーネットワーク使用時も、優れたパフォーマンスを発揮してくれたモスコニZERO4だが、マルチアンプ接続することで、その良さがさらに引き出された感じ。つべこべ語らずとも、音楽を聴けば「気持ちいい!」と感じられるアンプだ。
【仕様】
■チャンネル:4チャンネル
■定格出力:100W×2+200W×2(4Ω)/190W×380W×2(2Ω)/380W+760W(4Ωブリッジ時)
■全高調波歪率:-
■SN比:-
■周波数特性:-
■消費電流:-
■入力レベル:350mV〜16V
■サイズ(幅×奥行×高さ):450×250×50mm
■質量:-
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Photo/伊倉道男