勢いがよく生々しい音が魅力的
【プロフィール】
音の良さに定評があったステッグのエンジニアが新たに立ち上げたイタリアのカーオーディオ・ブランドがモスコニ。前回試聴したZEROシリーズは、30万円以内のアンプでは抜群の音の良さだっただけに、同社最上級モデルのGLADEN class Aも期待大である。
そんなGLADEN class Aは、クロスオーバーを内蔵したZEROシリーズとは異なり、音楽信号を増幅する以外の機能を持たないシンプルな2chアンプ。優れた音響特性と電力効率を実現する独自のダイナミックAクラス回路や、最短の信号経路で音声信号を増幅するダイレクトドライブ回路、ゼロネガティブフィードバック回路などの高音質技術を盛り込んでいる。
【インプレッション】
音が出た瞬間に感じるのは、音の勢いの良さと生々しさだ。低音の押しの強さはZERO4のほうに分がある印象だが、音のきめ細かさ、響きの美しさ、音の密度の高さはclass Aのほうが勝る。粒立ちがよく密度の高い音が、広がりと奥行きを感じる音場全体を形成し、音像もシャープにフォーカスするものだから、音楽がリアル。目の前で生演奏を聴いているかのような感覚に浸れる。
音色はちょっと明るめのウォームなトーン。エネルギーバランスはフラットで、全帯域に渡って密度の高い音を再現する。とくに低域の解像度の高さは素晴らしく、ベースの音程をハッキリと再現してくれる。また音楽の抑揚表現も得意。ベースやドラムに混じってリズムを刻んでいたギターが、ソロで引き出した瞬間にバーンと前に出てきたり、トランペットのソロが始まると、勢い良く全面に飛び出してくる。その表現力は見事だし、音楽を聴いていてゾクゾクっとする瞬間だ。
勢いが良い=音の立ち上がりのレスポンスが良いということだから、デジタルのパルス音系の再生も得意。アコースティックな音楽からデジタル系の音楽まで、どんな音楽でも心地よく再現する。ダイヤトーンDS-SA1もレスポンスの良いスピーカーだから、マッチングもとても良い。2chアンプだから、マルチアンプにするには2台必要…と躊躇する人もいるかもしれないが、DS-SA1のように高品質なクロスオーバーネットワークを付属したスピーカーなら、シンプルに付属ネットワークを使ってフロントスピーカーを2chアンプで鳴らすという手も大いにあり。ましてやDIATONE SOUND.NAVIのマルチウェイタイムアライメント機能を使えば、マルチアンプ化しなくてもタイムアライメント調整ができる。DIATONE SOUND.NAVI+DS-SA1のコンビなら、高品質な2chアンプを組み合わせる手もアリだ。
【仕様】
■チャンネル:2チャンネル(1chあたり169,000円/税別)
■定格出力:100W×2(4Ω)/170W×2(2Ω)
■全高調波歪率:-
■SN比:100dB
■周波数特性:5Hz〜165kHz
■消費電流:-
■入力レベル:200mV〜5V
■サイズ(幅×奥行×高さ):450×250×50mm
■質量:5.3kg
・モスコニのサイトへ
アークオーディオ 4100SE-TRADのインプレッションへ
ブラックス NOX4のインプレッションへ
オーディソン HV dueのインプレッションへ
ブラックス MX4のインプレッションへ
チェレストラ VA210のインプレッションへ
DLS TA2のインプレッションへ
オーディソン「THESIS」HV Ventiのインプレッションへ
オーディオウェーブ CR-200X JDMのインプレッションへ
Tweet
Photo/伊倉道男