イタリアの名門、オーディソンの中級パワーアンプ
【プロフィール】
カーオーディオ好きの間では言わずと知れたイタリアの名門カーオーディオ・ブランドがオーディソン。パワーアンプの最上位にはTHESIS HV venti(1,200,000円/税別)が君臨し、その下にThesisシリーズ、Voceシリーズと続く。今回試聴したのは、そのVoceシリーズの4チャンネル機、AV quattro。デザインテイストはTHESISシリーズから受け継いでいるが、40万円近辺のTHESISシリーズと比べると価格は1/3以下。これでTHESISに通じる音ならものすごくコストパフォーマンスは高い。入力部分をオプションのデジタルインターフェイスに入れ替えることで、bit Oneなどのデジタルプロセッサーとデジタル接続できるフルDAシステムに発展可能なのも、THESISシリーズのコンセプトを受け継いでいる。
【インプレッション】
音的には、THESISシリーズを受け継ぐというよりも、以前のLRシリーズの流れである。中高域は鮮度が高く瑞々しい音色で、さすがオーディソンを感じさせるもの。とくにトランペット等、ホーンの響きに艶があり心地よい。ギターもほどよい甘さがあって、耳に優しい音色だ。総じてアタック音がきつく無く、物腰の柔らかな耳あたりの良い音である。
それは低域にも通じるところで、やや低域の締まりが緩い傾向にある。低域の量感自体はたっぷりあって、低域が物足りない感じはしないのだが、バスドラムのアタック音とかベースのピッキングなどは、もう少しメリハリが欲しい気はする。
音場は若干、左右の広がりが狭い傾向があるが、メインヴォーカルが前に出てきて、コーラスが回りを取り囲むような立体感がハッキリと表現される。前後の奥行感が明確にわかるのがいい。低音の緩さを除けば、心地よい音色で、ゆったりと音楽に浸れるアンプといえる。また、低音の緩さはマルチアンプ化することで解消する方向に向かう可能性はある。マルチアンプ接続時のインプレッションは、次回、お伝えする。
【仕様】
■チャンネル:4チャンネル
■定格出力:120W×4(4Ω)/400W×2(4Ωブリッジ時)
■全高調波歪率:0.04%
■SN比:80dB
■周波数特性:4Hz〜80kHz
■消費電流:-
■入力レベル:300mV〜5V
■サイズ(幅×奥行×高さ):470×220×58mm
■質量:-
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Photo/伊倉道男