イタリアン・アンプなのにアメリカンなマッチョさ
【プロフィール】
チェレストラは、1993年に創立されたイタリアの小規模メーカー。製品はパワーアンプが中心で、上級モデルはハンドメイドで丁寧に製造されている。このFAシリーズは、そんなチェレストラのベーシック・パワーアンプがFAシリーズ。2chのFA275Xと、今回試聴した4chのFA475Xがラインアップされる。
【インプレッション】
イタリアのアンプだから、品のいい落ち着いた音を想像していたが、音が出た瞬間に驚いた。まるでアメリカン・アンプのような太く重く厚い音。何かの間違い? と思ってスペックを確認してみたら、なんと1Ω駆動にも対応した大電流アンプだった! それを考えると、この音の太さもうなづける。
出身国を気にせずに聞いてみると、これはこれでいい感じ。音像は大きいし、音の立ち上がりもちょっと丸くなる感じで全体的にリズムがスローに聴こえる感じはあるが、重心の低さと音の太さは魅力的。それでいて、音色はアメリカン・アンプのようなドライ系とはちょっと違っていて、ウェットな表情もみせる。ピアノのツヤ感もある。楽器やヴォーカルなど、すべての音がグイグイ前に出てくる感じなので、ちょっと暑苦しいw感じもあるが、そんな音が好きな人にはピッタリ。けっしてDIATONE SOUND.NAVIの内蔵アンプでは出ない押しの強さだ。
マルチアンプ接続では?
これをマルチアンプにしても、全体的な音の傾向は変わらないのだが、パッシブ使用時よりも、さらに低音の押しが強くなる。ベースなんかは粘っこいノリで、ブルーズ等、その傾向の音が好きな人にはいいかも。この低音のブリブリ感は、なかなか得られないと思う。また音像は大きいままだが、音場よりダイナミックに広がる感じだ。ただ、聴感上のS/Nはそれほど良い感じが無いのと、音の立ち上がりがそんなに鋭くないのは、クリーンでシャキッとした音が好みの人には物足りないかも。好みに合えば、ものすごく気に入るし、そうじゃなければ全然ダメ。好みが分かれるアンプではあるが、こんな音のアンプがあっていいと思う。
【仕様】
■チャンネル:4チャンネル
■定格出力:190W×4(4Ω)/150W×4(2Ω)/175W×4(1Ω)/300W×2(4Ωブリッジ時)/350W×2(2Ωブリッジ時)
■高調波歪率:0.2%以下
■SN比:115dB
■周波数特性:5Hz〜75kHz
■消費電流:-
■入力レベル:500mV〜8V
■サイズ(幅×奥行×高さ):380×232×61mm
■質量:-
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Photo/伊倉道男