マクロム M3S-61 MKIIレビュー

ホームオーディオでも、チャリオやソナス・ファベールなど、さまざまなブランドがあるように、イタリアはわりとスピーカー産業が盛んな国。カーオーディオでもハーツやオーディソンなどがあるが、市販バッフルで簡単に取付けられるスピーカーといったら、マクロムだ。

マクロム M3S-61 MKII(18,900円)
今回、試聴してみたのは、マクロムのスピーカー・ラインナップの中でも、最普及価格のM3シリーズ。セパレート2ウェイシステム、同軸2ウェイともに13cmと16cmの口径を用意していて、もっとも安い13cm同軸2ウェイスピーカーは、なんと1万円以下の9,450円! 今回聴いたのは、16cmセパレート2ウェイシステムのM3S-61 MKII(18,900円)だ。

やや黄色みがかったホワイト系のウーファーは、特殊コーティングのペーパーコーン。マグネットは大型で、アルミボイスコイルを採用している。トゥイーターは19mm口径のシルクドーム型。線間に組み込んだクロスオーバーを採用しているので、インストールはしやすい。ちなみにクロスオーバーはトゥイーターのハイパスのみで、カットオフ周波数は8.0kHz、スロープ-6dB/oct。ウーファーをフルレンジで鳴らし、それにトゥイーターの高域を加えるという使い方だ。

イタリアのスピーカーは、総じてヴォーカル帯域を重視したモデルが多い印象だが、このスピーカーもそう。歌声を自然に滑らかに再現してくれる。低域はたっぷりの量感があるので、落ち着いた音だ。高域の質感も、この価格帯としては上々だ。反面、リズミカルな音楽は、あまり得意とはいえない。音の立ち上がりが良くないわけではないが、角が丸まったような音で、全体的にマイルドに聞こえるため、ビシッ、バシッっといったリズムのキレはやや弱い。というように、音楽によって向き、不向きはある印象だが、バラードなどをゆったりとリラックスして楽しむjには、いいスピーカーだと思う。

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