モスコニ ONE120.4(82,000円)

音の静けさと空間表現が違う。モスコニのベーシックアンプ



【プロフィール】
モスコニは、イタリアの新進カーオーディオ・ブランド。とはいっても音の良さに定評があったステッグの元エンジニアが、自らの名前で興したブランドだ。このGLADEN ONEラインは、同ブランドのベーシック・シリーズで、フロントステージアジャスターという独自の機能も搭載している。4chアンプは60W×4のONE60.4もあるが、より出力の大きいONE120.4を試聴してみた。

【インプレッション】
上位機種のZEROラインは、DIATONEがデモカーにも搭載していることからもわかるように、音の評価が高いアンプだ。そのブランドの下位モデルだけに興味津々である。はたして、その音は、ZEROラインに通じるものだった。なにがいいって、まず音の静けさがいい。空間がざわざわせず透き通っているから、楽器の音ひとつひとつがクリアだし、音像も明確。左右、前後の空間が感じられる音場だし、音楽の抑揚の表現も得意。再生音が、とても音楽的なのだ。

音の立ち上がりのレスポンスが良いので、トランペット等、ホーンの音にハリがあり勢いがある。ギターのピッキングやドラムスのアタック音もキレが良い。音色はややウェット系で、アコースティックギターがとても瑞々しく響きもいい。ただ、低音の押し出しが弱いのがZEROシリーズとは違うところで、ベースの音が、ちょっと心細く聴こえる面も。ピアノの低い音も、ちょっと軽く聴こえる傾向にある。ただし、低域レンジはしっかり確保されていて、上品でヌケのいい低音だ。

マルチアンプ接続では?
これがマルチアンプ接続に変えてゲイン調整を綿密に行うと、低音の力強さがグッと増して、パッシブクロスオーバーネットワーク使用&2ch再生時の物足りなさは、ほとんど無くなる。音の鮮度も立ち上がりのレスポンスもよりいっそう上がった感じ出し、全体的に解像度も向上した印象。速弾きのギターやピアノなども、一音一音がクリアに聴こえるし、音色にツヤとハリがある。ライヴ録音を聴くと、会場の雰囲気まで伝わってきて、迫真の演奏が楽しめる。ガンガンに聴きたいロックだろうが、しっとりと聴きたいバラードだろうが、音楽に応じてフレキシブルに表現してくれる対応力の幅広さもいい。DS-G20が音楽信号をありのままに再現してくれるから、このアンプの魅力もよりいっそう引き出される感じだ。

【仕様】
■チャンネル:4チャンネル
■定格出力:120W×4(4Ω)/175W×4(2Ω)/350W×2(4Ωブリッジ時)
■全高調波歪率:-
■SN比:-
■周波数特性:-
■消費電流:-
■入力レベル:350mV〜16V
■サイズ(幅×奥行×高さ):310×200×50mm
■質量:2.7kg

モスコニのサイト

カロッツェリア PRS-D700のインプレッション
ハーツ HCP4のインプレッション
ESX X4のインプレッション
イートン MA-150.4のインプレッション
キッカー KX400.4のインプレッション
ロックフォード PUNCH P600.4のインプレッション
チェレストラ FA475Xのインプレッション






Photo/伊倉道男