生の音に限りなく近い重く鮮度の高いサウンド
【インプレッション】
パッシブネットワーク使用時でも、実力の高さを示してくれたブラックスMX4だが、マルチアンプ接続することで、その魅力はさらに引き出される感じ。どっしりと安定感のある低音は、MX4ならではの持ち味だし、パッシブネットワーク使用時よりも、おさえの効いた低音で、躍動感が増す感じだ。
中高域も鮮度が増すし、勢いも増す。トランペット等、管楽器の鋭い音の立ち上がり、ギターのピッキングやボディのタッピングなど、速いレスポンスが必要とされる音はキレが良くメリハリがあるし、その音ひとつひとつに力強さがあるから、生の音に近いものを感じる。
解像度の高さと中高域の透明感も上々。たとえば、S/Nが悪いアンプだと耳障りに聴こえることが多いシンバルの音。もちろんアタック音は強烈で耳に刺さるのだが、その後の響きが美しく消えゆくまでが長いから、やかましく感じない。ピアノの音も、これまで試聴してきた中でもっともピアノらしい音。たまにおもちゃのピアノのような安っぽい音にしか聴こえないアンプもあるが、重さ、響き、エネルギー、ペダルの細かい音など、本物のピアノらしい音を表現してくれる。
今回試聴した中で、1チャンネルあたりのコストは最も高いが、高いものにはそれなりの理由があるのだ。
【仕様】
■チャンネル:4チャンネル(1chあたり180,000円/税別)
■定格出力:275W×4(4Ω)/280W×4(2Ω)/285W×4(1Ω)/550W×2(4Ωブリッジ)/560W×2(2Ωブリッジ)
■全高調波歪率:0.001%以下
■SN比:110dB以上
■周波数特性:10Hz〜80kHz
■消費電流:7A(アイドリング時)
■入力レベル:1.0V〜8.0V
■サイズ(幅×奥行×高さ):360×360×79mm
■質量:11.5Kg
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Photo/伊倉道男