カロッツェリア2011新メインユニット・レビュー

1月下旬に発売されたカロッツェリア・メインユニットの2011年モデル5機種を借りて、試聴してみたので、その感想を。



今回、発表された5機種は、いわゆるレギュラー・モデルという普及〜中級モデルだが、とにかく安い。CDメインユニットの最上位機種(今回発売された中での)、DEH-P760でも22,050円。すでにAmazonでも16,500円で売られているし、価格コムの最安値(2011/2/6現在)は14,385円だ。最廉価モデルのDEH-360(オープン価格)にいたっては、Amazon
で8,974円だ。

音も、値段を考えれば十分以上に満足できるレベルだ。また、見事に価格順に音質差が付けられていて、高いものほどサウンドクオリティが高まる。なので、5機種の中から「できるだけ音がいい機種が欲しい」というなら、予算が許す限り上位機種を選ぶべきだ。なかでもDEH-560とDEH-P760の違いはけっこうあるので、できるならDEH-P760がおすすめ。DEH-P760は解像度や中高域の質感こそ違えど、DEH-P01にも通じる元気のいい音だ。

DEH-P760

DEH-P760はUSBとAUX入力を装備し、iPod/iPhoneやUSBメモリーなどのUSBデバイスにコピーした音楽が聴けるのだが「iPodを使わずUSBで音楽を聴く」という人にも、DEH-P760がおすすめだ。というのも、今回の5機種のうち、ディスプレイが日本語表示できるのはDEH-P760のみ。iPod/iPhoneなら、コントロールモードに切り替えればiPod/iPhone側で操作できるし、曲名等の表示も通常のiPod/iPhoneの状態そのままだから問題ないが、USBデバイスの曲は、DEH-P760の操作で探すことになる。虫メガネマークのサーチキーと、ロータリーダイヤルを「回す&押す」で曲を探せるから、操作自体は難しくないのだが、J-POPなど日本語表記のアーティスト/アルバム/曲は、探すのが大変だ。

3系統プリアウトを備えているのも、今回の新製品の中ではDEH-P760のみ。のちのち外部パワーアンプのシステムアップを考えているなら、DEH-P760を選んでおいたほうがいい。カットオフ周波数を50/63/80/100/125Hzの5ポイントに設定できる、カットオフスロープ−12dB/oct固定のハイパスフィルターを内蔵しているし、サブウーファー出力には、カットオフ周波数(50/63/80/100/125Hz)と位相(正相/逆相)、レベル(+6〜−12dB)の調整ができる、カットオフスロープ−12dB/oct固定のローパスフィルターを搭載しているので、サブウーファーを増設しても、DEH-P760で調整できる。内蔵イコライザーは5バンド。100Hz、315Hz、1.25kHz、3.15 kHz、8kHzの5つの周波数を中心に、それぞれ2dB刻みで±12dBの調整ができる。

USBやCD-RWで再生できる音楽ファイルのフォーマットは、MP3/AAC/WMA/WAVの4形式。別売のBluetoothアダプターを追加すれば、携帯電話などBluetoothオーディオ対応機器の音楽をワイヤレス再生できるが、Bluetoothアダプター自体がDEH-P760本体よりも高いので、あまり現実的ではないかもしれない。

DEH-560
DEH-560(15,750円)は、イルミネーションを純正のインパネ色と揃えたい人にオススメ。マルチカラーLEDイルミは、簡単に呼び出せる30色をプリセット済み。また赤/緑/青の3色を細かく調整して、好みの色を作り出すこともできる。色の組み合わせは22万通り! プリセットカラーの設定値をベースに微調整できるから、純正インパネ色との色あわせもやりやすい。

DEH-P760同様、フロントフェイスにUSB&AUXを装備。iPod/iPhoneも、USBメモリーに保存した音楽も再生できるし、USB接続できないポータブルオーディオプレーヤーも、AUX経由で音楽が楽しめる。USBで再生できる音楽ファイルは、MP3/WMA/WAVの3形式。AACに対応していない点が、DEH-P760との違いだ。

DEH-460
DEH-460(12,600円)は、イルミネーションがマルチカラーではないのと、リア/サブウーファー(選択式)の1系統プリアウトを装備していない点以外は、DEH-560とほぼ同じ。フロントUSB&AUXを備え、USBはMP3/WMA/WAVファイルの再生に対応。圧縮音源で失われた音を復元するアドバンスド・サウンドレトリバー、5モード・プリセットイコライザー&3バンド・イコライザー、2モード・セレクタブルラウドネスといった機能も、DEH-560と同じだ。

DEH-360
DEH-360(オープン価格)は、USBが無く、AUX入力のみ。オーディオレス車で、とりあえずラジオを聴きたいとか、FM/AMラジオ付き車で、できるだけ安上がりにCDも聴けるようにしたいという人に向くモデルだ。

DVH-P560
DVH-P560(15,750円)はDVDとCDの再生ができる。そのためエアーナビなどのPND(映像入力付き)と組み合わせれば、AVナビと同等の機能が手に入るというわけ。2DINサイズの機器を装着できないクルマに乗っていて、それでもDVDが見られるAVナビが欲しいなら、PND+DVH-P560の組み合わせがいいと思う。エアーナビならVGAモニターを採用しているので映像の解像度が高いし、圧縮音源を再生できるSDカードスロットを装備しているから、DVH-P560のAUX入力経由でSDの音楽も楽しめる。また別売ケーブル(AV用)のCD-IUV50M(3,675円)を使えば、Pod/iPhoneのビデオを見ることもできる。音質はDEH-360と同等の感じだから、高音質再生を求める人には物足りないだろうが、手軽にDVDもiPodの映像も楽しめるシステムが欲しい人には、DVH-P560+PNDもしくはカーTV(映像入力付き)の組み合わせは、オススメできる。