ブラックス MX4(720,000円/税別)

ドイツ・ブラックスのフラッグシップ機は相性抜群


【プロフィール】
記憶では、日本に初めて紹介されたブラックス製品はキャパシタだったと思う。その後、発売したパワーアンプ、X1000/X1400で高音質の定評を得て、今や世界を代表するハイエンド・カーオーディオ・ブランドの一つとなったのがブラックスである。

そんなブラックスの現在のフラッグシップ・パワーアンプが、このMATRIXシリーズ。2chモデルのMX2と4chモデルのMX4の2タイプあり、ボディカラーはブラックとシルバー(受注モデル)の2色から選べる。今回、試聴したのは275W×4の出力を持つ4chモデルのMX4。ちなみにMX2の出力は550W×2だ。
光デジタル入力を装備
信号経路が最短になるよう、クロスオーバーなどのフィルター機能は一切なし。またハイエンドMOS-FETの微小な製造誤差による音質の影響を抑えるべく、厳格な検査基準を設けて、その基準をクリアした選別品をすることで、全チャンネル、調和のとれた出力を可能にしている。以前のX4からMX4にモデルチェンジし、2系統の光デジタル入力を装備。現在では、これを利用できる機器は発売されていないが、おそらく今後、デジタル伝送やハイレゾ再生に対応した機器が登場するのだろう。将来の発展性にも対応している。

【インプレッション】
さすが同社のフラッグシップ機。重心の低いどっしりと安定感のあるサウンドだ。おそらく、一度MX4の音を聴いた事がある人なら、目隠しして試聴しても「MX4の音」と言い当てられる人は多いんじゃないかと思う。クルマでいうと、トルクが太い大排気量エンジンという感じ。楽器やヴォーカルなど、一つ一つの音に力強さがある。そんなエンジンだと往々にして高回転は苦手となりがちだが、このアンプは高域までエネルギーとレスポンス、クオリティが持続する。
キャパシタ専用端子も装備
シンバルはシンバルらしくカツーンとなるし、アタック音の後の響きも綺麗に持続する。ピアノの低音部の重さも迫力あるし、骨太のベースもドライブ感たっぷり。アコースティックギターの音色が若干ソリッドに感じるが、細かい音までしっかりと情報が出ているし、一つ一つの音に勢いがあってはっきりしている。アイドリングで7Aも食うアンプだが、電力消費が大きいアンプならではの、重厚な音が魅力だし、DIATONE SOUND.NAVIとの相性もいい。

【仕様】
■チャンネル:4チャンネル(1chあたり180,000円/税別)
■定格出力:275W×4(4Ω)/280W×4(2Ω)/285W×4(1Ω)/550W×2(4Ωブリッジ)/560W×2(2Ωブリッジ)
■全高調波歪率:0.001%以下
■SN比:110dB以上
■周波数特性:10Hz〜80kHz
■消費電流:7A(アイドリング時)
■入力レベル:1.0V〜8.0V
■サイズ(幅×奥行×高さ):360×360×79mm
■質量:11.5Kg

ブラックスのサイト

アークオーディオ 4100SE-TRADのインプレッション
ブラックス NOX4のインプレッション
モスコニ GLADEN  class Aのインプレッション
オーディソン HV dueのインプレッション
チェレストラ VA210のインプレッション
DLS TA2のインプレッション
オーディソン「THESIS」HV Ventiのインプレッション
オーディオウェーブ CR-200X JDMのインプレッション






Photo/伊倉道男