フルモデルチェンジしたDIATONE SOUND.NAVI、
MZ100シリーズのナビ機能をチェック Vol.1

2012年にMZ60シリーズが登場して以来、初めてのフルモデルチェンジを受けたDIATONE SOUND.NAVI。そのMZ100シリーズの音が大幅にクオリティアップしたことは、すでにユーザーのブログやカーオーディオ専門店のサイト等でも多く語られているので、ここでは後回しにすることにして、まずは、こちらも一新したナビ部分をみていこうと思う。


地図が美しく、見やすく変わった!

なにからなにまで一新したMZ100シリーズのナビ機能だから、いちいち細かく挙げていくとキリがないが、まず地図の見た目が変わった。従来はグレー基調の地図に、ルートが黄色で示されていて、建物名や住所等の表示も少なく、よく言えば落ち着いた感じ、悪く言えば地味すぎる地図だったわけだが、MZ100の地図は色のコントラストが上がり文字情報も増えたため、より見やすい地図になっている。なんとなく、カロッツェリア・ナビの地図に似たイメージである。

NR-MZ100の地図は見た目が大きく変わった
こちらはMZ80のシンプルマップ
それ以前に、ディスプレイ自体が大幅にクオリティアップ。VGAディスプレイを採用して解像度が高まり、道のギザギザ感がなくなったし、コンビニ等のアイコンも鮮明になった。タッチパネルは感圧式から静電式に変更。そのおかげで、スマートフォンのようにフリック&ドラッグやピンチイン&アウトといった操作ができるようになった。

その操作については後回しにして、なによりもすごいのは、外光反射に強いことだ。一般的にカーナビの画面は、直射日光が当たると画面が見えにくくなる。それはディスプレイ表面のガラスと液晶パネルの隙間にある空気の層が反射してしまうからだ。そのためMZ100シリーズのディスプレイは、空気の層をボンディング材で埋めるダイレクトボンディングを採用。スマホやタブレットなどでも、この手法を取っているものがあるが、明るさやコントラストを損なうノングレア(反射防止)処理をせずに、グレア(光沢)液晶でクリアに見える画面を実現している。
夕暮れ時、直射日光が当たった状態。半分日陰にしてみたが、
違いがわからないほど日が当たった部分もはっきり見えている
グレアだから当然、映り込みはある。デモカーのスバル・インプレッサでも、ナビOFF状態で見ると助手席側のドア内張りやシート、その後方が映り込んでいるのがわかる。が、ナビをONにした途端、明るく鮮明な画像によって映り込みがまったく気にならなくなる。さらにドライブ中、直射日光が画面に差し込んできても、地図がはっきり見えるのだ。ここまで外光反射に強いディスプレイは、記憶にない。ダイレクトボンディングとディスプレイ表面のARマルチコートグレア処理のおかげである。コントラスト比は従来に比べて約52倍も高いそうだ。弱点といえば、これまで以上に指紋が気になるということか。専用の画面拭きクロスかクリーナーは常備しておきたい。

デザイン的にも、高級感が高まった。画面周囲の凸状のフレームがなくなり、画面下のハードキー以外はフラットになったおかげだろう。コンソールへのフィット感も格段に高まっている。

操作感もレスポンスもスマホライク

次に操作性。フリック&ドラッグによる地図のスクロールや、ピンチイン&アウトでの地図スケールの縮小&拡大という具合に、スマホの地図アプリを使う感覚で操作できるカーナビはいまや珍しくない。が、操作レスポンスまでスマホ並みの速さを実現しているカーナビは多くない。ところが、MZ100シリーズを使ってみて驚くのは、その速さ。市販カーナビとしては異例のクアッドコアCPU搭載の超強力はSoC(システム・オン・チップ)を採用したおかげで、操作レスポンスまでスマホ並みの速さを実現したのだ。


フリック&ドラッグで操作できるのは地図だけではない。例えば楽曲リスト。USBに大量の音楽を保存すると、聴きたい曲を探し出すのに苦労するが、MZ100シリーズは楽曲のリストもフリックまたはリスト右サイドにあるスライドバーのドラッグでスクロールできる。そのスピードは、目がついていかないくらいの速さだ。また、検索リストのスクロールも、同様にフリック&ドラッグで操作できるし、メインメニューをフリックすればルートメニューなどに切り替えられる。

音質調整もやりやすくなった。以前は、タイムアライメント画面からクロスオーバーやイコライザーの画面に切り替えるとき、右下にある「▲」ボタンを押してポップアップメニューを表示させ、クロスオーバーやイコライザーを選ぶという方式だったが、MZ100シリーズは、画面を左右にフリックすればタイムアライメント画面からクロスオーバー画面へと簡単に切り替えられる。また、DIATONE SOUND.NAVIはMZ80シリーズ以降、アジャスタブルFIR処理を行っており、調整時はIIR、視聴時はFIRで処理するため、調整時と視聴時の音に若干の違いがあったのだが、その違いを確認するのにボタンひとつで切り替えられるようになった。以前はAVボタンを押して、視聴状態に戻らないとFIR処理に切り替わらず、再調整しようと思ったら再度、AVメニューから音質調整メニューに入っていかなければならなかったら、調整のしやすさは雲泥の差だ。

ところで、地図スケールの拡大/縮小は、カーナビの装着位置によってはピンチイン&アウトの操作がしづらい場合もある。カーナビの装着位置が低いケースなどが、そうだ。そのためMZ100シリーズでは、ダブルタップや2点タッチによる地図スケールの拡大/縮小にも対応している。また画面左サイドの広域/詳細ボタンでも地図スケールの変更が可能だ。

このように、画面の美しさと見やすさ、操作性は、今回のフルモデルチェンジで一変した。これまで「音はいいけどナビはね…」と言われていたDIATONE SOUND.NAVIだが、カーナビとしても一級の能力を手に入れたのだ。次回は、検索や案内機能についてお伝えする。

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