これからのカーナビはスマホ・アプリとの連携が鍵

ラベル: ,
2012年春に登場のケンウッド「新彩速ナビ」とパナソニックの「ストラーダLシリーズ」。これらは、スマートフォン連携が特徴のひとつだ。両者のスマートフォン連携は、どこがどう違うのかを確かめてみた。

新彩速ナビ用のアプリは「NaviCon」で、ストラーダLシリーズ用のアプリは「おでかけナビサポート ここいこ♪」。どちらも、スマートフォンで検索した地点をカーナビに転送して目的地設定できる点では同じだが、両者に互換性はなく、機能もまったく違う。
ケンウッド新「彩速ナビ」MDV-737DT(オープン価格)
ストラーダLシリーズ。こちらは日産セレナ専用のCN-L800SED(オープン価格)
ナビコンはiPhone専用
まず「NaviCon」。こちらはiPhone専用のアプリだ。対して「おでかけナビサポート ここいこ♪」は、当初Android用のみがリリースされていたが、最近iPhone用も登場し、両スマホ用OSに対応するようになった。なお「おでかけナビサポート ここいこ♪」は、ストラーダLシリーズだけではなく、先に登場したメモリーAVナビのストラーダSシリーズでも利用できる。

スマホからカーナビへの地点転送だが、新彩速ナビはiPhoneのDockコネクターにケーブルを配線した状態で行う。対してストラーダLシリーズは、Bluetoothで転送。iPhoneもAndroidスマートフォンも、配線は不要だ。
ストラーダLシリーズはBluetoothで地点を転送できる
検索できる内容は、ストラーダLシリーズの「おでかけナビサポート ここいこ♪」の場合、観光スポット/グルメスポット/最寄りの施設の3項目。観光スポットは「るるぶDATA」、グルメスポットは「ぐるなび」、最寄りの施設は「Yahoo! JAPAN」のデータベースを元に検索ができる。観光スポットとグルメスポットはいずれも「キーワードで周辺検索」または「条件で探す」の2つの方法で検索でき、リストアップされた地点は詳細情報を見ることができるし、簡単に電話をかけることもできる。操作の流れもスムーズで使いやすい。
左から右に「ここいこ」の操作の流れを紹介。メニューから
好みの検索方法を選び、条件を設定して検索すればリスト表示。
行きたい場所を見つけたらナビへ送信で目的地設定ができる。

今昔散歩
いっぽう新彩速ナビの「NaviCon」は、このアプリでも検索できるほか、さまざまなNaviCon連携アプリで検索した地点をNaviCon経由で新彩速ナビに転送できる。NaviCon連携アプリは、有料/無料含めて多数。今後も、どんどん増える予定だそうで、検索データの多彩さでは「おでかけナビサポート ここいこ♪」に勝る。たとえば有料アプリの「TeePee Guide」はTVや雑誌などで紹介された施設を探せるし、無料の「今昔散歩」は、現代の東京23区を中心とした地図と明治時代/江戸時代の古地図とを重ね合わせて見ることができる。ほかにも「全国日帰り温泉マップ」「ゴルフ楽ナビ」「カレーマップ」「宿泊検索 YADO-楽」「国宝建物MAP」など、ターゲットを絞ったアプリがたくさんある。転送〜転送で、操作が面倒なイメージがあるが、連携アプリからNaviConに地点を送信した時点でNaviConが自動的に立ち上がって地図上にピンをドロップ。地図の下には「ピンを目的地に」というボタンがあるので、そこをタップすればナビに目的地が設定される。なお、これらのアプリはナビと連携しなければ使えないというわけではない。アプリ単独でも、かなり使えるものもある。
TeePee Guide+NaviConの操作。条件を設定し検索したリストから
詳細情報を見るとNaviConで開くという項目が出てくる。このボタン
をタップすると自動的にNaviConが立ち上がり地図に地点を表示。
この地図の「ピンを目的地に」をタップすればナビに目的地設定できる
また新彩速ナビ+NaviConは、地図をiPhoneでリモート操作できる機能もある。iPhoneをDock接続した状態でNaviConの地図をフリックしてスクロールさせると新彩速ナビの地図が連動してスクロールし、ピンチイン/ピンチアウトで地図スケールを縮小/拡大させると、新彩速ナビの地図も連動して縮小/拡大するのだ。この機能を使うシチュエーションはあまり思いつかないが、たとえばセカンドシートに座った人が、ドライバーに任意の場所の地図を教えるために地図を操作するといった時には便利だと思う。

この2台のナビと、連携するスマートフォンアプリを見比べてみると、AndroidスマホとiPhoneの両方に対応していることやBluetoothを利用しワイヤレスで地点の転送ができることなど、扱いやすさという点ではパナソニックが上。もちろんケンウッドが使いにくいという意味ではなく、よりユーザーフレンドリーなのがパナソニックということだ。

ただし検索データの量と将来性という面では、ケンウッドに分がありそうだ。通信を利用した検索機能は情報の量と質が決め手だが、ケンウッドはNaviConを介して、さまざまなコンテンツから情報を引き出せるし、今後さらに魅力的なアプリが増える可能性もある。ぜひ、そうなって欲しいものだ。

スマホアプリを車載機のタッチパネルで操作できる
MirrorLinkがヨーロッパではすでに実用化されている
今は車載機がカーナビ機能を持っているのがあたりまえだが、ヨーロッパでは車載機にナビ機能を持たず、スマートフォンのナビアプリを車載機のタッチパネルでコントロールする機器も実用化されている。今後、カーナビがすべてこうなるとはいわないが、日本でも低コストのクルマにはこのようなタイプが導入されてもおかしくはない。それと、ケンウッドやパナソニックのスマートフォン連携とは、システムも発想も異なるが、いずれにせよスマートフォンとの連携は、今後のカーナビに欠かせない要素になるのは確実。ケンウッド新彩速ナビとストラーダLシリーズおよびSシリーズなら、スマートフォン連携の最先端が味わえる。

ケンウッド新彩速ナビ
パナソニック・ストラーダLシリーズ
パナソニック・ストラーダSシリーズ
NaviCon
おでかけナビサポート ここいこ♪(Android用)
おでかけナビサポート ここいこ♪(iPhone用)


いいね!