2台の7型ワイドVGA搭載PNDを見比べる

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カロッツェリアのPND、エアーナビに7型ワイドモニター採用機が加わり、パナソニックは新たにワイドVGAモデルをラインナップに加えた。そこで、カロッツェリア「エアーナビ」AVIC-T99とパナソニック「ゴリラ」CN-GP710VDという両社の7型ワイドVGAモニター搭載PNDを見比べてみようと思う。

【デザイン】
ボディサイズはエアーナビが幅196.5×高さ105.6×厚み22mm・約500グラム、対してゴリラは幅177×高さ104×厚み22mm・440グラム。エアーナビがやや大きく重い。厚さは同じだが、エアーナビは通信モジュールをセットすれば厚みが増す。
カロッツェリア「エアーナビ」AVIC-T99
パナソニック「ゴリラ」CN-GP710VD
見た目はゴリラがオーソドックス。画面周囲のフレームを黒く薄くし、画面を際だたせるデザイン。対してエアーナビは現在地/メニューなどのハードキーを画面左に配置。黒いフレームの周囲にシルバーを配色するなど、他のPNDとは一線を画すデザインだ。

取り付けスタンドは両機とも吸盤式。エアーナビは電源などの配線をスタンド側に行うのに対し、ゴリラは本体に配線する。パナソニックも以前はスタンド側へ配線していたので、装着時にすっきり配線することができたが、ゴリラは電源のコネクト部が出っ張ってしまうのが残念。

【ナビ機能】
内蔵メモリーは両機とも16GBの容量。検索データは、両機とも個人宅電話番号に対応しており、住所検索はエアーナビ3,750万件、ゴリラ約3,500万件。基本データはほぼ同等と思っていいと思う。
検索メニュー。左がエアーナビ、右がゴリラ

ただし、ゴリラは観光ガイドブック約100冊分の「るるぶ」の情報を収録。またSDカード経由でインターネットの「おでかけ旅ガイド」などから、最新のスポット情報を転送できる。対してエアーナビは、通信機能を使って「ナビポータル」から最新の情報を取得したり、満空情報付のコインパーキング検索、価格情報付のガソリンスタンド検索ができるが、こちらは別途、通信費がかかる。
ゴリラはるるぶの情報を収録
通信機能を使えば多彩な情報が入手できるエアーナビ
ルート探索はエアーナビが6ルートで、パナソニックが5ルート。また、エアーナビは渋滞予測データを収録しているので、渋滞に遭遇しにくいルートを探索可能。ゴリラもFM VICS対応だが、画面に渋滞箇所を表示できるものの、ルート探索時に渋滞を考慮することはない。
左がエアーナビ、右がゴリラ
案内画面はゴリラが多彩。通常の交差点拡大図のほか、立体交差点拡大図、レーン案内、看板表示、ハイウェイ入り口拡大図など、さまざまな画面で誘導する。エアーナビもリアル交差点イラスト表示や側道表示、都市高速入り口イラスト表示など、多彩さでは負けてはいないが、イラスト表示の収録数があまり多くないのか、ゴリラほど頻繁には登場しない。もっとも、通常の交差点拡大図で、十分にわかりやすいので、イラスト表示が無くても安心してドライブできるのだが。音声案内は、曲がり角の直前で曲がる方向を告げるジャスト案内がわかりやすい。
案内画面はゴリラが多彩
エアーナビの交差点拡大図
簡単に取り付けた状態での自車位置の測位精度は同等レベル。空が開けた場所なら正確に現在地を示すし、高架道の下道や短いトンネルなど、GPSの電波が受かりにくい場所でも、わりと安心できる。首都高に乗る道をルート探索しておき、わざと首都高に乗らずに、並行する下道を走ってみたりもしたが、両機とも、しっかりと上下道を判別してすぐにリルートしたりもする。長いトンネルでは、さすがに両機とも途中で不安定になるが、エアーナビは車速パルスの配線が可能で、これを接続すれば、より正確な自車位置表示が可能になる。

【AV機能】
内蔵TVチューナーは両方ともワンセグ。またエアーナビはマイクロSD、ゴリラはSDカードに保存した圧縮動画や音楽を楽しむことができる。さらにゴリラはワンセグの予約録画ができるし、音楽や動画、静止画を内蔵メモリーに保存するマイストッカー機能もある。以前のパナソニックPNDはSDビデオのみ対応だったが、ゴリラはMP4、H.264の再生にも対応し、AV機能の多彩さでは、ゴリラに軍配。なお、映像入力は両機とも1系統装備しているので、バックカメラの接続ができる。
AVメニュー。右のゴリラはワンセグ録画ができる

【地図更新】
エアーナビはマップチャージにより、追加費用無しで最大3年間は最新の地図に更新できる。部分的に新データに更新可能な地点情報データと道路データは、毎月提供。全データ更新は、半年に1度(5月と11月)にできる。部分的な更新は通信、またはマイクロSDを介してインターネット経由で行い、全データ更新はマイクロSDを利用する。

ゴリラも最大3年間は無料で道路データを更新可能。1年間に約6回、専用サイトでデータを配信し、SDカードを使って更新できる。ただし、全地図更新は有料となる。

【エアーナビならではの機能】
通信により、スマートループ渋滞情報やガススタ情報、ナビポータルなど、多彩な情報が手に入る。スマートループ渋滞情報は対象道路が約33万キロで、VICSの約5倍の道路でリアルタイムの渋滞情報を表示可能。ガススタ情報は付近のガソリンスタンドを価格情報付で探せるし、空きがあるコインパーキングも探せる。ナビポータルは、インターネット経由で最新のグルメスポットやTVで紹介された店など、話題の店が探せる。ナビとパソコン、携帯サイトが連携するナビフォルダも、使いこなせば便利だ。
エアーナビは通信により多彩な情報を取得できる

【ゴリラならではの機能】
クイックGPSにより、電源ONから地図が表示されるまでの時間が圧倒的に早く、おでかけウォークにより徒歩ナビにも対応。歩道橋や公園内、地下通路など、徒歩専用の道を使ったルート探索&案内もできる。電子コンパスを内蔵しているので、GPSが受信できない場所でも自分が向いている方向がわかるし、画面の縦表示もできる。バッテリーを交換できるのも、ゴリラならではだ。他にも盗難多発地点や事故多発地点の表示&音声案内、位置情報付の画像を目的地に設定したりできるジオタグ書き込みといった機能がある。
ゴリラは縦画面表示が可能。徒歩ナビにも使える

【まとめ】
エアーナビは、渋滞予測データを収録したことで、通信を使わなくても渋滞に強く、通信を使えばスマートループ渋滞情報により、さらに渋滞に強くなる。また、車速パルスを配線すれば、自車位置の測位精度も格段に上がり、2DINナビなどの本格ナビと遜色ない能力を持つので、渋滞回避能力と測位精度を重視するなら、エアーナビがいい。

対してゴリラは、電源を入れてから地図が出てくるまでが早かったり、タッチパネルの操作に対して反応が早いなど、快適さが光る。案内画面も多彩でわかりやすく、運転にあまり慣れていない人でも安心感がある。そんな使いやすさ、わかりやすさを重視するなら、ゴリラをおすすめしたい。通信機能も含めてマニアックに使いこなすほど楽しいエアーナビと、万人向けのゴリラといったところか。

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