ハイレゾにも対応するワイドレンジ&高S/Nを獲得
【プロフィール】
DLSはスウェーデンのカーオーディオ・ブランド。どちらかといえばスピーカーが中心のメーカーだが、パワーアンプも良質なものを提供している。
フラッグシップ・シリーズの「アルティメイト」には、入力段に真空管を用いたハイブリッド・アンプ、TA2(450,000円)があるが、今回試聴したのは中級グレード「リファレンス・シリーズ」の最新モデル。4チャンネル機がCC-4(90,000円・税別)とCC-44(120,000円・税別)の2機種、2チャンネル機がCC-2(80,000円・税別)の1機種ラインナップされた中の最上位モデル、CC-44を今回は試聴した。
従来のリファレンス ・シリーズ・アンプもコンパクトでシンプルなデザインでカーオーディオ初心者から中級者まで、幅広いユーザーに対応する使いやすさがあったが、新しいリファレンス・シリーズはさらにコンパクト。とくに奥行き方向がスリムになり、より取り付け性が高まった印象だ。
スペック的にもよりワイドレンジ化しSN比も向上。円安の影響もあってか、従来のリファレンス・シリーズ・アンプよりは、やや価格が上昇しているが、音がよければ問題無し。興味津々のアンプである。
【インプレッション】
コンパクトなアンプだと、電源部もそれほど大きくできないため、どうしても低域の非力さとか音の薄さが気になるケースがあるが、このアンプにそれは感じない。もちろん、大型の重量級アンプと比べてしまうと、低音の押しの強さでかなわない面はあるのだが、それよりも中〜高域の素直さ、自然さという魅力が勝る。
ややウォーム系のトーンで声が自然だから、ヴォーカルの肉声感は上々。コーラスの分離も良く、一人一人がはっきりと分かれて聴こえるし、声の艶、伸びやかさも気持ちよい。
Tweet
ドラムスはバスドラが少し軽い傾向はあるが、スネアの立ち上がりがシャープでキレのいいリズムを生み出す。シンバルの音色も素直。響きがしっかりと乗ってくるので、耳障りにならない。トランペット等のホーン楽器も同様。ともすれば、痛いほど耳に刺さる感じに聴こえるケースもあるが、このアンプは鋭い音の立ち上がりのキレを見せながら、耳あたりのいい音色で響く。
音場の広がりと立体感も上々。音像の立ち位置が前後関係も含めてはっきりわかり、これぞステレオという印象の音だ。DIATONE SOUND.NAVIが本来持つ高い分解能を損なうこともない。
低域の押しは、サブウーファーを加えることで補うことができるから、問題ないだろう。これまで10万円クラスのアンプでは、DIATONE SOUND.NAVIとの相性が良い!と思えるアンプが少なく、どうしても高価なアンプを選ぶことをおすすめしていたが、このアンプはサブウーファーを加えることを前提としたフロント用のアンプとしてはおすすめできる。という意味では、DIATONE SOUND.NAVIとの相性は良い。
【主なスペック】
●定格出力:95W×4(4Ω)/110W×4(2Ω)/220W×2(4Ωブリッジ)●周波数特性:10Hz〜60kHz●SN比:110dB●サイズ:幅320×奥行129×高さ55.5mm
【関連リンク】
・フェリースソニード
Tweet