
「MapFan for iPhone」と従来の地図&ナビアプリとの違いは、「MapFan for iPhone」が地図内蔵型であるということだ。iPhone向けの地図アプリやナビアプリはMapを始め多々あるが、従来のものはすべてオンライン型。つまり地図データはすべてサーバーにあり、現在地の周辺の地図をダウンロードして表示&案内する方式だ。
それに対して「MapFan for iPhone」は、アプリの中に基本的な地図データと検索データを組み込んでいる。つまりオフラインでも、地図表示や検索ができる。従来型は、通信圏外だと地図表示や案内ができない場合もあるのに対し、「MapFan for iPhone」なら通信圏外の山の中などでも、しっかりと使えるわけだ。
そのため、アプリのデータ量は大きく、約800MB。iPhoneにインストールするには、約2GBの空き容量が必要だ。800MBというと、地図ソフトのデータ量としてはそれほど大きくはないが、都内では家形がわかる詳細市街地図の表示もできる。ただし、大阪、名古屋、福岡あたりは通常地図のみだったので、詳細市街地図を表示できるのは、都内、横浜など、関東の一部の都市のみのようだ。

検索方法は周辺施設/キーワード/TVスポット/住所/駅の4通り。電話番号検索は無く、住所は○丁目レベルまでと、シンプルなものだ。周辺施設では、駅・交通機関/金融機関/宿泊/ファストフード/ファミリーレストラン/コンビニ/ガソリンスタンドの7ジャンルの周辺検索ができる。クルマ用として考えると、駐車場が無いのが惜しい。

ルートは、有料道利用/有料道回避/徒歩・自転車の3条件で探索できる。ルート探索もオンライン。サーバーのコンピュータを使うので、すばやいルート探索が可能だ。有料道利用/有料道回避/徒歩・自転車の切換はルート探索後の地図の上のボタンで切り替えられる。


道案内は同社の携帯電話向けナビ「MapFanナビークル」同様、曲がる方向を先々まで教えてくれるラリービューを画面右に表示。主要交差点では方面看板やレーン案内も画面に表示する。また音声も聞き取りやすいものだ。測位はGPSだけで行うため、高速道路の高架下など、GPSからの信号を受けにくい場所ではそれなりの精度だが、実用に問題はない。

住所や電話番号を頼りに出かけることが多い仕事に使うのには向かないが、レジャーユースなら十分に役立つし、旅先での食事にはTVスポット検索が便利。またPNDを徒歩ナビとして使うのには気が引けるという人でもiPhoneならばまったく恥ずかしさがない。という意味では、PNDの代わりにiPhone+「MapFan for iPhone」は大いにありだと思う。
さて、この「MapFan for iPhone」は有料で2,300円。地図ビューワーとしてなら、1度購入すれば継続利用できるが、TVスポットやルート探索といったオンラインの機能は購入から1年を過ぎれば使えなくなるので、年2,300円と考えればいい。これを高いと思うかは人それぞれだが、携帯電話向けの「MapFanナビークル」が月350円ということを考えれば、むしろ安いと思う。そのぶん、渋滞情報を取得できないのは残念だが、魅力的なアプリであることは間違いない。
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