ハイレゾ彩速ナビとDIATONE SOUND.NAVI、
どっちの音が良い?

音が良いカーナビといえば、DIATONE SOUND.NAVIの名前が真っ先に名前が挙がるが、今年に入ってきになる存在が現れた。ケンウッド彩速ナビの最上位モデル「タイプZ」である。


なにしろこのタイプZ、ハイレゾ音源の再生に対応。USBやSDカードに保存した最大192kHz/24bitまでのハイレゾ音源を再生できる。フォーマットはWAVとFLACに対応。またCDなど非ハイレゾの音源も、一旦192kHz/32bitにアップコンバートしたのち、音楽信号に変換するというから、CDの高音質再生も期待できる。

となると、DIATONE SOUND.NAVIとケンウッド彩速ナビ・タイプZ、どっちが音がいいの? というのは大いに気になるところ。さっそく、比較試聴してみた。
ケンウッド(左)はハイレゾ音源で、DIATONEはCDで、同じ曲を聴き比べてみた
とはいってもDIATONE SOUND.NAVIはハイレゾ音源を再生できないので、DIATONE SOUND.NAVIではCDを再生。そこで聴いたのと同じ曲のハイレゾ音源を用意して、ケンウッド彩速ナビで再生し、聴き比べてみた。

結論から先にいうと、音質 的にはまだまだDIATONE SOUND.NAVIは安泰である。ケンウッド彩速ナビもさすがハイレゾ、分解能が高く細かい音の再現力はDIATONE SOUND.NAVIに迫るものがある。ただし、音色の自然さ、艶やかさなど、質的な部分でDIATONE SOUND.NAVIに分がある。
総合的な音の良さはDIATONEに分がある
例えばピアノ。響きが豊かなのはDIATONEのほうだし、音の消え際も自然。重さも本物っぽく鳴る。それに比べるとケンウッドはやや細身だ。声の自然さ、抑揚の表現も、DIATONEがいい。おそらくアナログ部分の作り込みの差が出たのだと思う。ケンウッドもハイレゾのおかげでかなり肉薄してはいるが、音最優先で「どっちを選ぶ?」と聞かれたら、やはりDIATONEを選ぶ。

ただし、ケンウッドでハイレゾ音源とCDを同じ楽曲で聴き比べてみると、圧倒的にハイレゾのほうがいい。それほどハイレゾが再生できるメリットは大きい。またカーナビも含めて総合的な魅力というとケンウッドは捨てがたい。というか、数あるカーナビの中でも圧倒的な操作レスポンスの早さ、スマートフォンアプリと連携して取得できるスマートループ渋滞情報をはじめとした情報量、WI-FI対応…etc.OSがAndroidで、操作はスマホやタブレット同様、HOMEボタンから始めるし、メニューを引き出すのもフリック&ドラッグなど、他のナビの操作系統とは異なるため、他のナビから乗り換えると操作に慣れが必要だが、慣れるとスマホやタブレット並みに使いやすい。
ケンウッドは再生可能なフォーマットの多彩さとナビ性能や操作性を含めた総合力が優秀
という意味では、音質最優先で選ぶならDIATONE、カーナビの性能も重視というならケンウッドという選択肢もアリ。そのあたりを分かった上で選ぶなら、どちらも満足度の高い機種なのは間違いない。

なお、DIATONE SOUND.NAVIのHDMIにオーディソンのbit Play HDを接続すれば、ダウンサンプリングするためネイティブ再生ではないが、ハイレゾ音源を聴くこともできる。元々の音源の情報量が高いため、これでもかなりの高音質で音楽が楽しめることを付け加えておく。
ダウンサンプリングするがbit Play HDで再生したハイレゾ音源をDIATONE経由で再生可能

クラブ・ダイヤトーン
ケンウッド・カーナビ